琉球列島のフクギ並木

沖縄の原風景、フクギ屋敷林を追う

沖縄では、かつてほとんどの集落で屋敷林としてフクギ並木が見られた。ハヂチやジーファーが沖縄の精神文化を象徴するように、フクギ屋敷林は沖縄の暮らしの原風景である。その歴史は、300年前、琉球王国の三司官蔡温の時代に遡る。
著者は、3万本の毎木調査、東南アジア・東アジアでの分布と利用状況の比較をはじめ、あらゆる角度からフクギを追究した。本書は、消滅しつつあるフクギ屋敷林を未来へつなぐ再評価の試みである。


■内容(目次より)

第1部 フクギの利活用・保全
 第1章 先行研究と本書の構成
 第2章 フクギの地理的分布
 第3章 フクギの伝統的利用と文化価値
 第4章 フクギ屋敷林の炭素固定効果
 第5章 フクギ屋敷林への地域住民の意識
 第6章 フクギ並木の観光利用
 第7章 フクギ屋敷林の植栽・保全の課題
 第8章 御嶽林のフクギ巨木
 第9章 今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と文化財
第2部 フクギ巨木の分布
 第10章 粟国島のフクギ屋敷林と巨木の健康状態
 第11章 石垣島の平得・真栄里のフクギ並木と都市化
 第12章 石垣島白保のフクギ屋敷林と明和大津波
 第13章 竹富島のフクギ屋敷林と観光開発
 第14章 西表島のフクギ自然林と祖納集落のフクギ屋敷林
 第15章 与那国島のフクギ屋敷林と台風被害
 第16章 まとめと今後の課題

300年前、祭温の時代から続いてきた
フクギ屋敷林を未来へつなぐ

著者 陳 碧霞
判型、他 A5判、264ページ(カラー口絵8ページ)

著者紹介

陳 碧霞(チェン ビシャ)

中国福建省生まれ。2008 年鹿児島大学博士(農学)、中国福建師範大学経済学部講師、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットPD フェローなどを経て、2013年琉球大学農学部亜熱帯地域農学科助教、2018 年琉球大学農学部附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター准教授、現在に至る。著書に『近世琉球の風水と集落景観』(2019、榕樹書林)ほか。

型番 978-4-86124-472-8

定価 (販売価格)

4,300円(税込4,730円)
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